教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

π(=円周率)の謎

たかです

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今日はπ(=円周率)のお話です。

小学校で円周率=3.14と習いますが、実は「円周率って何?」という問いにきちんと答えられる小学生は皆無に近いといってもいいぐらいで、ほとんどいません><

 

円周っていうぐらいですから、円周率=割合 なんですね。

では、何の割合か?というと、「直径に対する円周の割合」=「直径=1とすると、円周はいくらになるか?」ってことです。

 

で、出てくるのが円周率の公式「円周÷直径」なわけですが、実際にその数字を知っている小学生は皆無です。きっと大人も一般ピーポーは皆無です。たかも知りません(汗;

wikipediaを見てもπの数値は載っていますが、「何÷何」をして計算するか?は書かれていません。

 

しかし、小学生の皆さんは図形の性質を使ってπ(円周率)が3より大きくて4より小さいことを証明することが可能です。

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例えば、この図。円の外側に正方形がくっついていて、円の内側に正六角形がくっついています。

 

外側の正方形の1辺=円の直径 になっています。

正方形(直径4つ分)よりも円が内側にあるので、円周率<4であることがわかります。

同様に、正六角形の対角線=円の直径 になっています。

正六角形は円の内側にあるので、円周率>3であることがわかります。

したがって、3<円周率<4が証明できる、というわけです。

 

 

有給取れるか?問題

たかです

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みなさんもご存知のとおり、今年から「有給消化」義務化となりました。

詳しく知らないのですが、社内では「最低年間5日は取得するように」とのお達しが来ています。しかしながら、たかの現在の事務所のメンバーは、6月27日時点で、たかの前、左右両隣(壁際なので後ろはいませんwww)とも消化は「0」な状態です。

しかし、塾業界これからが本チャンです。夏は夏期講習。2学期からは模試・日曜特訓のオンパレード、息つく間もなく冬期講習、正月特訓、入試本番と2月までノンストップです。果たして夏休み始まるまでに取得できるのだろうか?

週5日で授業が組まれているため、「有給を取得する=代講が必要(他人に迷惑をかける)」という方程式が成り立ちます。

日本の政治と同様「構造改革」なるものが必要ですよね、きっとwww

 

 

模擬試験の試験監督

たかです

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先週の日曜日にたかが勤めている塾で「全国模試」が行われました。

無料で広く一般の生徒を集めて行われるテストです。

「全国統一小学生テスト」ではありません(笑)

たかは、「小3」「小4」「小5」の試験監督をしました。

たった1年のちがいなのに、こんなにも違うのか!っていうほど違います。

 

どこの塾も(おそらく?)そうですが、最近は模試もハイテク化され、生徒の答案をスキャナで読み込み、記号問題は自動採点。記述問題を担当がPC上で採点します。

自動採点のシステムにうまくのっけるために、答案にはいろいろと「お約束」があります。その1つが受験番号。数字を「デジタル数字」で記入しなければいけません。

いわゆる、「電卓の数字」です。解答用紙の受験番号記入欄に、うすい点線が印刷されていて、生徒はそれをなぞって自分の受験番号をデジタル数字で書きます。

採点時にスキャナで読み取った画像をPCが認識して、誰の答案なのかを特定します。

この部分の記入が不正確だと、スタッフが1枚ずつスキャナ画像を確認して、受験番号を手入力しなければいけません。

つまり、「この部分の精度でわれわれの帰宅時間が決まる」というわけです(笑)

ところが、小3はこれができない><

試験前に「お手本(=受験番号欄のすぐ下に印刷されている)と同じように書いてください」と説明しても、小3だと半数ぐらいしかできません。

これが小4、小5になると、一度説明すればすっとできます。

 

それから、国語の試験。

学校レベルとは一線を画すテストなので、問題用紙が10ページを超えることもざらです。そうなると、小3は問題が次にどこにあるのか、が分からなくなります。

「試験中に困ったときはだまって手を挙げる」というルールなので、しょっちゅう手が挙がり、そのほとんどが「この問題はどこにありますか?」です。

また、ふだん塾に通っていない「お試し受験」の生徒は、隣の席を堂々と「がん見」です。

 

しかし、小4、小5になるとそういう場面はほとんど起こりません。

この時期の1年の重みってすごいなぁと思わされた一日でした。

 

荒天

たかです

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昨日の近畿地方は、雨&風ともに激しく、大雨警報も発令されまるで台風のような1日でした。

お昼すぎに出勤すると、事務所の雰囲気がいつもと違います。2名いる事務の女性たちがあわてた様子で電話で話しています。

一瞬、大きなクレーム?かと思いましたが、

事務Aさん「ああ、よかった。たかさん、いい所に来た!」

たか「何かあったんですか?」

事務Bさん「線路側の懸垂幕が!!!」

 

たかが現在勤務している教室は、駅前の拠点校なので、JRの駅のすぐ横に立地していて

ちょうど線路側に宣伝用の大きな「生徒募集中」の懸垂幕がかかっています。4Fから1Fまで届くぐらいの長さです。

あわてて見に行ってみると・・・

「!!!」

ふだんは、金属製の枠の左右に懸垂幕を紐で縛って固定しているのですが、なんと右側がすべて敗れてヒラヒラと宙を舞っていて、左側だけでかろうじて固定されています。

強風が吹くたびに、パタパタと激しい音がしてめくりあがり、一番下の留め具のところは、幕が破れていて今にも外れそうです。

2つの「最悪の事態」がすぐに頭に浮かびました。

①左側もすべて外れてJRの敷地内に懸垂幕が飛んでいき、それが原因で電車の運行がストップする事態になったら、どうしよう。。。><。損害賠償ヤバいよなぁ。。。><

②風で飛ばされた懸垂幕が付近を歩いていた人に当たって、怪我でもしたらどうしよう・・・><

 

その懸垂幕は業者でないと取り外しができません。すぐに電話をして外してもらうことに。しかし、業者の方いわく「今日は予定が立て込んでいて、何時ごろ行けるかちょっとわかりません」

 

そうこうしている間に1本の電話が

たか「お電話ありがとうございます。○○塾です」

「JR西日本と申します。お宅様の線路側の垂れ幕が風で今にも飛びそうになっていますので、お電話いたしました。」

ひぇっ!!!!

「はい、ご心配をおかけして申し訳ありません。業者に手配して待っているところなのです。」

「あ、そうでしたか。安心しました。では失礼いたします。」

他にも近所を通りかかったと思われる一般の方から2件お電話をいただきました。

 

その後、1時間ほどで業者の方が来てくれて、無事撤収してくれました。よかった!

でも、もうその懸垂幕は使えないとのことでした。経理に聞くと20万円以上するらしいです(高っ!

 

でも、誰にも迷惑がかからなくて、本当に良かったです。

 入試風物詩 今と昔③ 適性検査

たかです

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今日の話は、適性検査です。

公立の中高一貫校で盛んに行われている入試です。

われわれの時代(古っ!)には、存在していませんでした。

おそらく、このブログを読んでくださっている保護者世代の方も、現役の頃には存在していなかったはずです。

受験は、暗記一辺倒だったわれわれの世代ですが、コンピュータの登場とともに

暗記ではかなわないと悟った当時の文部省のお偉いさん方が入試制度を改革すべく

1998年(平成10年)の学校教育法改正にともなって誕生したのが、公立中高一貫校です。

入試もこれまでの「知識詰込型」=「暗記型」から、「認知判断表現」=「思考型」へと切り替わり、それにともなって生まれたのが「適性検査」という試験です。

 

これが結構「くせもの」で、知識抜群の生徒が必ずしも高得点を取れるとは限りません。一般的な傾向として、女子の方が得点が高くなる傾向にあります。

理由は簡単!

みなさん、想像できますか?

男子と女子の決定的な差は「表現力」です。

12歳の受験です。ふだんの生活を考えてみてください。男女で語彙力に圧倒的な差があります。女子は「恋話」「ドラマ」「母親との会話」からさまざまな言葉を学びます。

一方、男子は「ゲーム」「ネット」中心の子が多いので、どうしても語彙が少しかたよってしまいがちです。

 

したがって、適性検査では出題の意図は理解できているんのに、表現力が乏しくて満点がもらえない、ということが多々あります。

先日、実施した模試の一例を。

問題:クモは昆虫といえるかどうか、クモと昆虫のからだのつくりに触れながら説明しなさい。

子どもたちは、昆虫は足が6本でクモは8本、昆虫は体が(頭・胸・腹の)3つに分かれていてクモは2つの部分に分かれていることは、ほぼ全員が知識として習得しています。しかし、クモと昆虫のからだのつくりに触れながら説明することができないのです。「昆虫は○○だが、クモは△△である」という文章が作れないのです><

なぜ、できないか?⇒そんなことは教えてもらったことがないから だとたかは考えます。

 

公立中高一貫校は全国的に人気が高く、高倍率の入試となることが多いです。

しかし、その高倍率を突破するカギは、知識ではなく「表現力」です。

「表現力」をどう鍛えるか?これは日々の生活が重要です。

ご家庭で、ぜひお子さんといろんな話をしてください。

語彙力は「大人との会話」から身につけるのが、最も効率のよいやり方です。

よく言われる、「本を読む」だけでは(読み方にもよりますが)、効果は薄いです。

親や、祖父母との会話。これが最高&最強のツールです。

 

 

 

 入試風物詩 今と昔② 得点開示制度

たかです

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昔は存在せず、今は当たり前になっていることの1つ

得点開示制度 です。

合格発表後に、受験生本人が受験票と身分証明書を持参して受験した学校に聞きに行けば、入試の得点を教えてもらえます。

 

受験生にとっては「あー、自分はこんな点数だったのか~」ですんでしまうかもしれませんが、塾にとってはまさに「宝の山」です。

 

これまでブラックボックスだった合否判定の基準なるものが、開示されたデータを集めることで解明できる可能性が出てきたからです。
特に、公立の学校には、塾泣かせだった「内申点」や「調査書」なるものが、合否判定の基準の1つとして存在しています。今でも担任の先生によってはおよその内申点を教えてもらえたり、もらえなかったり・・・。

塾で受験生を受け持つ担当の当然の仕事の1つとして「進路指導」があります。

その生徒の志望校と合格可能性とをにらみつつ、できるだけ第1希望の学校に進学できるように導いていく。学校側と意見が食い違うことも多々あります。

保護者は、わが子の「合格」を手に入れるために、お金を払って塾に行かせる。

でも、仮に合格できなくても「先生、うちの子がご迷惑をかけてすみません」といいます。対価を支払っておきながら、希望の商品を手に入れられず、しかも相手に謝る。

こんな商売は塾以外に世の中どこを探してもない、とたかは思っています。

だから、私たちは常に真摯に一人ひとりの生徒と向き合って、その子にとってベストは何か?を保護者とともに常に考え、導いていかなくてはなりません。

 

得点開示制度が実施される前は、ベテランの先生の「経験値」+「肌感覚(とでもいうべきもの)」によって、進路指導がなされていました。

 

ところが、得点開示制度によってボーダーラインが明らかになる一方で、謎が深まる部分もあるのです。ボーダーライン上で何が決め手になって合格したのか?が分からないのです。得点だけでみると最大15点前後の逆転現象が毎年見られます。「内申書」や「調査書」も学校の通知表を見ればおよその予想は立ちます。それでも、毎年数名は「なんで???」ということが起こります。

昔であれば「きっと、当日の試験で何かポカをやらかしたんだろう」で済んでいたところが、得点開示を見ることで「どこに原因があったのだろう?」と謎が深まることになった、というわけです。

 

面接で合否が分かれるのか? 内申書・調査書の評定が通知表とは別なのか?

あるいは、スポーツや芸術面の受賞暦、英検やそろばん等の資格が評価されるのか?

永遠のなぞです。。。

 

 

 

 

 入試風物詩 今と昔① 合格発表

たかです

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少子高齢化にともなって、入試の風物詩も昔と比べて大きく変わりつつあります。

その1つが合格発表です。

今では考えられませんが、たかが現役の頃(=高校受験)の合格発表は、合格者氏名の掲示というスタイルでした。(おそらく書道の先生が)一人ひとり毛筆でフルネームが書かれていました。だから近所でも「○○さんちの息子は××高校に受かった」というのを当たり前のように、みんな知っているという状況でした。

 

しかし、現在は少子高齢化により、学校側は受験生をいかに多く集めるか?に苦労しています。特に手を打たなくても、受験生が自然と集まってくる学校と、必死であれこれ作戦を考え受験生集めに奔走せざるをえない学校と2極化が進んでいるからです。

 

たかが勤務している県では、公立の中高一貫校に人気があります。

設立15年を経た今でも、学校説明会には1000人を越える人が集まり、受検時の実質倍率は3~4倍となります。

一方で、私立の中高一貫校は学校によって明暗が分かれます。

人気を左右する要素は1つではなく、いろいろなものが複雑に絡みあって決まります。

①大学進学実績

②母体に大学があるかどうか(=附属中学校・高校かどうか)

③共学かどうか

④入試の科目数や合格のレベル

⑤地元の人が持っているイメージ

われわれ塾業界もそうですが、⑤をくつがえすのって難しいです。

何年もかけて実績を積み上げ、イメージを作り変えていかなくてはなりません。

姿の見えない「敵」と戦っているようなもので、何をどうすれば正解か?っていうのが全くない、といってもいいかもしれません。

やはり商品である「授業」に磨きをかけるしかないのですけれど・・・。

 

話がそれてしまいましたが、合格発表です。

手っ取り早く(?)受験生を集める方法の1つに、入試回数の複数化があります。

A日程、B日程、C日程 あるいは 午前入試、午後入試

特に私立は「入試解禁日」後の1~2日に日程が集中します。

受験生や保護者の心理として、「滑り止め受験校の結果が分かった状態(=滑り止め校に合格した状態)で本命校に挑戦」できれば、心に余裕が持てます。

滑り止め校側も当然それは心得ていて、朝行われた入試の合格発表がその日の夕方5時とか夜9時にネットで行われる、ということも珍しくありません。

昔のように、結果が分からない宙ぶらりんの、何事にも気持ちの入らないあのいや~な状態で1週間ほど待つ、ということはありません。結果発表を見て、次の出願を考える、なんてこともざらです。

これもネットの恩恵というべきか、弊害というべきか・・・。

受験生本人にとっては何が何だか分からないままに入試が始まって終わっていく、のかもしれません。