教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

論説文 VS 小説文

たかです

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いきなりですが、論説文と小説文。どちらが難しいと思いますか?
ほとんどの子どもたちの答えは「論説文」。国語教師の(おそらく100%)答えは「小説文」 
なぜだと思いますか?

そのからくりは「アナロジー」。アナロジーを辞書で引くと「類推」と書いてあります。
そうです。小説文には作者の、さらには作問者の「類推」が入り込む余地があるからです。
登場人物の心情を記述する問題は、本文に描かれている登場人物のせりふや行動を手がかりにして
推して答えを導き出します。つまり、作者(あるいは作問者)は、どのような心情を読者に伝えるために
登場人物にそのようなせりふを言わせたり、行動をさせたりしているのか?を常に意識しなくてはなりません。
いわゆる「行間を読む」作業が必要になるわけです。

反対に、論説文は、書かれている内容が「事実」なのか「意見」なのかを区別し、筆者の「意見」の重要なものだけを
取捨選択しつなげていくだけでほぼ要旨は完成し、そこに「類推」が入り込む余地はありません。

したがって、現代文の練習は、まず「論説文」から、が正解なのです。