教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

大学入試改革と中高一貫教育を結ぶ糸

たかです。

f:id:miyutakaX:20170719093738j:plain

  いよいよ現実味を帯びてきた大学入試改革。

われわれ塾業界にとっては、これはふってわいてきた話ではありません。

  ずっと以前からその「予行演習」とでもいうべき「公立中高一貫教育」の入試改革が行われています。

99年度から宮崎県を皮切りに設置された公立中高一貫校

・中高6年間を計画的かつ継続的に指導できる

・高校入試の影響を受けずにゆとりある学校生活を送れる

などのメリットがありながら、当初は受験競争の激化+低年齢化や、一部の学校のエリート校化が懸念され、設置が見送られていました。しかし、その間に私立の中高一貫校が大学進学実績を大きく伸ばしたことから、世論に押される形で公立復活を賭けて導入されることになりました。

  では、実際に「公立中高一貫教育」の入試問題にどのような変化が見られたのか?を挙げていきましょう。

1.答えのみではなく「問題を解く切り口」「問題を解く途中の過程」「なぜそうなるかの理由説明」など記述的要素が盛り込まれた

2.正解が組み合わせによって複数通り存在し、そのうちの1つを解答すればOK、というタイプの問題が現れた

3.数通りの試行錯誤をくり返す中で正解にたどり着けるタイプの問題が現れた

4.出題者や作者の意図・主題を汲み取り、創作・記述させるタイプの問題が現れた

5.複数のデータ(グラフや図表)を組み合わせることによって見えてくる問題点を指摘したり、改善策を提案させる問題が現れた

6.子どもたちが知らない過去の時代に実際にあった生活道具のしくみや便利さを考えさせる問題が現れた

 

いかがですか?

先日公開された、大学入試改革の「新問題例」に、青文字の要素はほぼすべて含まれています。問題にはいろいろと批判もありましたが、作問側はおそらくこの中高一貫教育の入試で得た膨大なデータをもとにいろいろ考えて作っているはずです。

ただ、残念なことに、作問側がこだわればこだわるほど、採点側とデータ集計に負担がかかってしまうという「構造的矛盾」を抱えてしまうため、両者が折り合いのつく着地点を協議して見つけなければいけません。ここが大学入試改革実現までの最大の難所だと私は考えます。