教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

文章を書く ③診断士試験と要約力

みゆです.。こんにちは。

 

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今日から文章を簡潔に書く力=要約力の勉強です。

今回は余談で、「要約力」を必要とされる資格試験の話をします。

 

私は5年ほど中小企業診断士とよばれる資格試験の学習をしていましたが、結局、二次試験で3回敗退し、無資格のまま終わってしまっています。

診断士試験には一次試験と二次試験があり、二次試験はA4用紙3~4枚に書かれた与件を分野別に4つ読み設問に答える試験となります。

中小企業診断士試験問題

設問はすべて記述問題で15文字~150文字で解答する形式です。

 

さて、この試験ですが、なんと診断士協会から正式な解答の発表がありません!

解答がないため「なぜ合格したのか」「なぜ不合格だったのか」の合格基準が非常に不明瞭な試験なのです。試験後に各資格予備校(TACやLEC等)が模範解答を発表するのですが、予備校ごとに全く答えの違う設問がちらほら見つかります。

そこで、実際に受験した人が解答を出し合い、「合格・不合格」となった文章を見比べて何がもっとも正解に近いのかを評価することが通例となっており、実際に受験した方の解答を載せた本も発売されています。

Amazon | 2017年版 中小企業診断士二次試験 ふぞろいな合格答案 エピソード10 | ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム | 中小企業診断士 通販

 

この本に載せられた答案を見比べると「要約力のレベルの高さと低さ」かがよく分かります。

伝えたいことは同じなのに、要約力の高い人の解答は端的にすっと頭に入ってくる、一方で低い人の解答は何が本当に言いたかったのかが分からないのです。

合格者の解答を見ていると「素晴らしい発想」を解答用紙に書いているわけでなく、「与件に書かれていることを端的に表現」してるだけです。合格基準として、素晴らしい発想かどうかについては採点者の評価が分かれますが、「与件に書かれている言葉を用いて解答を書けば誰が何と言おうと間違いには出来ない」ため、この試験は要約力が問われてる試験だと私は考えています。

(与件…問題文として設定された事例の文章)

 

私は診断士の学校の先生や友人に「キーワードは適切に拾えているけど、何が言いたいのかが伝わってこない」と言われていましたが、要するにキーワードを繋いで文章化する能力=要約力が足りなかったのだと思います。

 

受験生の中には私のように「要約力」がキーとなること考えている方も多く、そのような方たちは日本経済新聞の「春秋」を要約し学習しています。

 

「春秋 要約」と検索をかけるとgoogleトップに「中小企業診断士web勉強」がトップに出るくらいに、春秋要約は診断士試験の世界ではメジャーな勉強方法なのです。

 

「春秋」のすばらしい所は内容・文章力はもちろんなのですが、なにより必ず4段落構成になっていて起承転結が分かりやすい点です。

課題もシンプルで、「春秋を読み40字で要約をすること」です。40字というのが実に絶妙で不要なことを書くとすぐオーバーしてしまい、収めるのに毎回苦労します。

しかし、ピタッとはまると元の文章を読んでなくても、あーなるほどと思える仕上がりになるのです。

 

こちらも正式な解答がないので、診断士の受験者間でフェースブックを用いて解答を出し合う、ツイッターに自分の解答を載せる等、SNSを用いて解答交換されている方もいらっしゃれば、有料で診断士試験の予備校の添削指導を受けている方もいます。

 近くの私立の中学校でも、字数は違えども要約を課題に出している学校もあります。

 

要約力を身につけるためにはいきなり長い文章で練習するのではなく、春秋のような短い文章で行うとやりやすいですよね。