文章を書く ⑤分かりやすく書く
みゆです。
第5回目は分かりやすく書くために必要なことを学ぶ講義です
ふと就職面接のことを思い出しました。
3人のグループ面接だったのですが、うち1人が何の話をしているのかがさっぱり分からず、結局、面接官に「もうそれ以上は話しなくていいです」と言わて途中で終わってしまいました。
分かりづらかったのは、①要点がつかめない ②一文が長かった、からだと思います。
書くことにも同じことが言えるのでしょうか。
①短く言い切る
日本語は「どんなだ」を表す形容詞・「どうする」を表す動詞など述語になる語が、原則として最後に来ます。その後に句点(。)が打たれた時に、初めて意味が確定します。
改行のポイント
①改行すると、1つの意味の固まりがそこで終わり、新たな話が始まることが予告される。
②1つの段落の長さは、平均150~200字程度になる。
問題:2文に書き直してみましょう。
大学時代、環境問題に興味があり、ドイツに屋根緑化やコンポストを設置した家などがあることを学び、ドイツがなぜ環境先進国と呼ばれるのかを考えたくなり、ドイツに2週間滞在することを決めました。
解答
大学時代は環境問題に興味があり、ドイツに屋根緑化やコンポストを設置した家などがあることを学びました。それらを実際に見て環境先進国について考えるためにドイツに2週間滞在することを決めました。
この話は①大学時代、環境問題に興味がある ②ドイツに2週間滞在する
ことが論点なので2文にわけ、論点を分かりやすく表現しています。
②同じ話はまとめて書く
文章を書くときには、一方の話を終えてから、もう一方の話に移る。
問題例:ドラクエⅣとドラクエⅩで話を分けてみよう
過去のドラクエ作の中で良かったと思う所はストーリーと音楽です。特にファミコンでプレイしたドラクエⅣのストーリーが好きです。今PCでプレイしているドラクエⅩはネットゲームなのでストーリをクリアしても新しいストーリーが更新されるので飽きが来ません。また、ドラクエⅣの音楽は主人公によって変化するので主人公が変わるごとに新しい冒険が常に出来るようで面白かったです。
解答例
過去のドラクエ作品、特にファミコンでプレイしたドラクエⅣのストーリーと音楽が好きで、特に主人公により音楽が変化するところが新しい冒険が常に出来るようで面白かったです。一方、今PCでプレイしているドラクエⅩはネットゲームでストーリが常に更新されるため飽きが来ません。
同じ話をまとめて書くことで文章を理解しやすくなり、さらに文章の重複も避けることができます。
③主役を早く登場させる&読み手に謎をかけたままにしない
「誰が」を文中に持ってくるとずっと誰の話をしているのだろう…と模索状態で読まなければならないので、主語は早めに書きましょう。
大学の指定校推薦、公募推薦用の小論文添削を読むと「主語が抜けている」、「曖昧な表現が多い」学生がほとんどです。
自己PRで「さまざまな経験をしてきました」、「貴校の研究に興味があります」と書いてくるので、「どんな経験?」「どんな研究に惹かれたの?」と聞き、書き直しをさせることがしばしばあります。
④修飾語は直前に置く
修飾語の問題です。「修飾語は直前に置く」ことを意識して考えてみてください。
出展は国語で修飾語の問題がでたのですが、考えてもよくわからないので教えて- 日本語 | 教えて!gooです。
(1)それは(大昔から)無数の人が考えを巡らせてきたことである。
(2)(その)小さな赤い花が、わたしはとても好きです。
(3)この雨では、(おそらく)明日の遠足は中止になるだろう。
(4)僕は(夜遅くまで)、その日借りた推理小説を読み続けた。
(5)(ここには)熱帯にしか生息しないチョウさえいる。
■Answer■
(1)それは無数の人が考えを大昔から巡らせてきたことです。
(2)小さな赤いその花が、わたしはとても好きです。
(3)この雨では、明日の遠足はおそらく中止になるだろう。
(4)僕は、その日借りた推理小説を夜遅くまで読み続けた。
(5)熱帯にしか生息しないチョウさえここにはいる。
問題にされると解くことができるのですが、文章をザッと書くときは問題文のように書きそうです。
修飾語は「言いたいことを補足する・強調する」ためにつけているため、例文に書いた赤文字(修飾語)を消しても話は通じます。「なぜわざわざ修飾語をつけたのか」を考えると、言いたいことの直前に修飾語を置く習慣が出来ます。
④語順に気を配る
A:日常生活では就職後にできた関西の知り合いが少なく、刺激が足りないと感じていた。
B:日常生活では、就職後に移り住んだ関西であまり知り合いができず、刺激が足りないと感じていた。
出典:日本実業出版社 文章力の基本の基本 阿部絋久
本来は「知り合いが少ない→刺激が足りない」と言いたかったのですが、「就職後にできた関西の」の修飾語が入ることで「就職後に関西の知り合いができた」話であると読み手がいったん捉えてしまい、文章を理解しづらくします。