珠玉の言葉 国語試験の問題文より③ 福岡伸一「動的平衡2」
たかです
今日は趣向を変えて論説文から ※あらすじ等、ネタばれ注意です!
◆あらすじ◆
「ゼロテクノロジー」のコンセプト
◆場面◆
ゼロテクノロジーとは?
・・・今後、私たちが求めるのはただモノを作り出すテクノロジーではなく、むしろ「なくす」「元に戻す」「守る・保つ」といった働きに特化することによって新たな価値を生み出すような、そのようなテクノロジーが必要とされるのではないか。これがゼロテクである。ただし、いくつか考慮しなければならない論点がある。自然現象は常にエントロピー=乱雑さが増大する方向に進む。ゼロテクの主張する「なくす/元に戻す/守る」というのは、エントロピー増大をできるだけ押しとどめる、もしくは秩序を常に再構築する、ということだから、それには膨大なエネルギーとコストがかかることになる。
◆珠玉の言葉◆
上記のエントロピーの難しい生物学的説明を、明快な比喩で一発ですっと理解させる次の一文
「つまり、コーヒーと牛乳からコーヒー牛乳を作ることはできるが、コーヒー牛乳をコーヒーと牛乳に戻すことは容易ではない。」
初めて読んだ時、この説明の分かりやすさに驚きました。
職業柄、子どもたちにいかに分かりやすく説明して納得してもらえるか?を日々追求しています。駆け出しの頃、先輩に「いくら説明しても生徒のレベル低くてうまく伝わらないんですよ」って愚痴ったときに「それは生徒のせいではなく、君の説明に問題があるからだよ」と言われたことがあります。自分の思い上がりを大変恥ずかしく思うと同時に、二度と生徒のせいにしないことを心に刻みました。