入試風物詩 今と昔① 合格発表
たかです
少子高齢化にともなって、入試の風物詩も昔と比べて大きく変わりつつあります。
その1つが合格発表です。
今では考えられませんが、たかが現役の頃(=高校受験)の合格発表は、合格者氏名の掲示というスタイルでした。(おそらく書道の先生が)一人ひとり毛筆でフルネームが書かれていました。だから近所でも「○○さんちの息子は××高校に受かった」というのを当たり前のように、みんな知っているという状況でした。
しかし、現在は少子高齢化により、学校側は受験生をいかに多く集めるか?に苦労しています。特に手を打たなくても、受験生が自然と集まってくる学校と、必死であれこれ作戦を考え受験生集めに奔走せざるをえない学校と2極化が進んでいるからです。
たかが勤務している県では、公立の中高一貫校に人気があります。
設立15年を経た今でも、学校説明会には1000人を越える人が集まり、受検時の実質倍率は3~4倍となります。
一方で、私立の中高一貫校は学校によって明暗が分かれます。
人気を左右する要素は1つではなく、いろいろなものが複雑に絡みあって決まります。
①大学進学実績
②母体に大学があるかどうか(=附属中学校・高校かどうか)
③共学かどうか
④入試の科目数や合格のレベル
⑤地元の人が持っているイメージ
われわれ塾業界もそうですが、⑤をくつがえすのって難しいです。
何年もかけて実績を積み上げ、イメージを作り変えていかなくてはなりません。
姿の見えない「敵」と戦っているようなもので、何をどうすれば正解か?っていうのが全くない、といってもいいかもしれません。
やはり商品である「授業」に磨きをかけるしかないのですけれど・・・。
話がそれてしまいましたが、合格発表です。
手っ取り早く(?)受験生を集める方法の1つに、入試回数の複数化があります。
A日程、B日程、C日程 あるいは 午前入試、午後入試
特に私立は「入試解禁日」後の1~2日に日程が集中します。
受験生や保護者の心理として、「滑り止め受験校の結果が分かった状態(=滑り止め校に合格した状態)で本命校に挑戦」できれば、心に余裕が持てます。
滑り止め校側も当然それは心得ていて、朝行われた入試の合格発表がその日の夕方5時とか夜9時にネットで行われる、ということも珍しくありません。
昔のように、結果が分からない宙ぶらりんの、何事にも気持ちの入らないあのいや~な状態で1週間ほど待つ、ということはありません。結果発表を見て、次の出願を考える、なんてこともざらです。
これもネットの恩恵というべきか、弊害というべきか・・・。
受験生本人にとっては何が何だか分からないままに入試が始まって終わっていく、のかもしれません。