論説文によく使われる語彙① 帰納と演繹
たかです
国語の論説文に使われる難度の高い語句について捉え方のコツを書いてみます。
今回は「帰納」と「演繹(えんえき)」です。主に科学技術や生態系等をテーマとする論説文に見られます。また、この2語は互いに対義語の関係にあります。
辞書を引くと次のような説明が書いてあります。
残念ながら、この説明を理解できる小・中学生はまずいません><
でも、言葉ではなくイメージで理解すれば一発です。
昆虫学者がいるとします。彼の目の前にこれまで見たことのない虫がいます。
観察すると、昆虫の要素である、「足は6本ある」、「体が頭・胸・腹の3つに分かれている」を満たしています。よって彼はこの虫を「昆虫の仲間」だと判断しました。定義から個別の判断を下す⇒これが「演繹」です。
またあるとき、彼はこれまで見たことのない虫A、虫B、虫Cを発見しました。
それぞれの虫をよく観察して、共通点Dを見つけました。そこで彼はその虫ABCをD種と名づけました。個別の観察から定義を決定する。⇒これが帰納です。
高校生のみなさんは数学で「帰納法」を学びますね。
①n=1の時、命題Pが成り立つことを証明する。
②n=kの時、命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1の時も命題Pが成り立つ。
③よってすべての自然数において命題Pが成り立つ
例題 すべての自然数nにおいては3で割り切れることを数学的帰納法を用いて証明せよ。
は3で割り切れる・・・(1)
①n=1のとき、=3
よってn=1のときは成り立つ
②n=kのとき(1)が成り立つと仮定すると、
n=k+1のときは、
仮定より、は3で割り切れるから、n=k+1のときも(1)は成り立つ
よって①②より(1)はすべての自然数において成り立つ