論説文によく使われる語彙② 相対と絶対
たかです。
①の帰納と演繹よりも、登場回数が多いのが、今回の「相対」と「絶対」です。
「相対的」「絶対的」と使われることもあります。
この言葉は以前「通知表の評価の仕方」で話題になったこともあるのでなじみはあると思います。いわゆる「絶対評価」ってやつです。
Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997
Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997
やはりこれも辞書の説明は少しわかりにくいですね。
これも通知表の評価方法でイメージすると一発です!
絶対的=比べるのは基準
たとえば「90点という基準」と比べて,、それより上なら通知表は「5」という評価の仕方です。
相対的=比べるのは他者
たとえば「上から10人までは5」という、他者と比べて成績を評価するやり方です。
問題になったのはこの「相対的評価」。
どういう点が問題かというと、公立高校入試の「内申点評価」において、
A中学校の「5」とB中学校の「5」が同じ基準で評価されていないという点です。
多くの都道府県で公立高校入試の合否判定は「当日の学力検査の得点」と「内申点」の2つの評価軸をもとに行われます。大学の一般入試が「学力評価」のみ、なのにです。公立高校にはいろんな中学校から受験生が集まります。合否ライン上の判定は非常に熾烈です。現在は「得点開示制度」がありますので、入試の得点と合否の関連性を後から知ることが可能です。
・学力検査の合計1点差で合否が分かれる。
・内申点によって、学力検査の得点の「逆転現象」(=合計点の低い人が合格して、合計点の高い人が不合格になる)が見られる。
これらのことは毎年現実に起こっています。
単純な話ですが、受験生が300人いると100満点のテストでは、同点が計算上3人発生します。
現実的には、0点や100点はほとんどいないので、合否ライン上の得点帯には10人前後がひしめく状態になることは容易に想像できると思います。数点違えば、順位が2~30番変わる可能性があるわけです。そして、学力テストの合計が全く同点だったら合否はどうなるか?ここで登場するのが「内申点」です。一人の生徒の「今後の人生」を決定する材料が「相対的評価」なのは、なんとも・・・・ですね。
たかの個人的意見としては、高校入試も「学力検査1本勝負!」にしたらいいのにと思います。