教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

文章を書く ④要約力を身につける

みゆです。

 

第4回は「要約力」をつけるために何に気をつけるべきかを学習します。

 

まず「要約」の意味は「論旨・要点を短くまとめて表すこと。また、そう言い表したもの」ですが、国語力の欠けている方は何を省いていいのかが分からない、または、省いた後の文章化が難しい。

そこで、今日は「文章を省く基準」と「文章の作り方」について考えます。

 

①「書かれている文章の目的が何か」

一番言いたいことが「骨」の部分です。簡潔に要約するのであれば骨部分のみを書き、そこから条件に応じて「肉」をつけていきます。

 ①それは、野球で「球をよく見る」という類いのことである。基本中の基本だからだろうか、かえっておろそかになる。ところが、口酸っぱく繰り返すべきコーチ役の法学者やメディアはつとめを十分果たしてこなかった。自戒し、そして橋下徹大阪市長に感謝している。
②憲法とはそもそも何かについて、橋下さんは「特定の価値を国民に押しつけるものでなく、国家権力を縛ってその乱用を防ぐものだ」と説いたという。いいことを言ってくれた。いかに王や皇帝の身勝手、横暴を防ぎ、市民の権利を守るか。そうした役割を、近代ヨーロッパに生まれた憲法はまさに今に引き継ぐのだから。
③伊藤博文が明治憲法をつくる趣旨を、「第一に君権の制限、第二に臣民の権利の保全」と語ったことが知られている。天皇主権をさだめ、「天皇は神聖にして侵すべからず」とうたった明治憲法が、伊藤のいう趣旨にかなっていたとは思えない。それでも、近代憲法の基本中の基本は120年前に承知していたことになる。
④改正が現実味を帯びて迎える憲法記念日である。ここは打者がボールの縫い目に目を凝らすように、基本に立ち返りたい。権力を縛る力はあるか。国民の権利は守られ特定の価値を押しつけられていないか。そんな2本の座標軸を立てるだけで、ずっと考えやすくならないか。変えるも変えぬも、出発点はそこにしかない。

                     【出典:日本経済新聞社「春秋」より】

40字要約の例

「改憲の判断は改 憲 の 判 断 は 特 定 の 価 値 の 国 民 へ の 押 し つけと 国 家 権 力 の 乱 用 を 防 ぐ こ と に 注 意 す べ きだ」

 

②「重複を避ける」

例文:ルールを守ることが大切で、規範通りに行動することが必要だ。

重複を避けるには

①同じ語句を繰り返さない

②同じ意味の表現を避ける→まず最初に、一番最後に、頭痛が痛い等

に注意することが必要です。

 

①と②に従って例文をチェックすると

訂正前:ルールを守ること大切で、規範通りに行動すること必要だ。(29字)

訂正後:ルールを守り、規範通りに行動することが必要だ。(23字)

「赤文字部分」は言葉の意味を知らなければ重複しているかがの判断が出来ません。

語彙力があれば重複に気がつきやすくなります。

 

③削れる言葉を削る

以下は診断士試験の二次試験の与件です。

SC内には2つのスポーツ用品店があり、1つは大手チェーンのスポーツ用品店で、もう1つはファッション重視のスポーツ用品店である。大手チェーンのスポーツ用品店は、各種スポーツのプロ志向の需要にも応えようとする品揃えをしている。また、もう1つのスポーツ用品店は、若者向けスポーツカジュアルのファッションに重点を置いた品揃えを行っている。

 

①赤色の重複部分を削る。

SC内には2つのスポーツ用品店がある。1つ目の大手チェーンのスポーツ用品店は各種スポーツのプロ志向の需要にも応える品揃えをしている。2つ目は若者向けスポーツカジュアルのファッションに重点を置いた品揃えをしている。

 

しかし、この文章に違和感ありませんか?

「SC内は~がある。1つ目のAは~している。2つ目は~している」と書かれていますが、2つ目のところにAの対比となるBがないので微妙に対比となっていません。

②文章を1つにまとめます。

SC内には、各種プロ志向に応える大手チェーンのスポーツ用品店と、若者向けスポーツカジュアル志向の需要に応えるスポーツ用品店の2つがある。

「Aには、Bに応えるCと、Dに応えるEの2つがある」

いかがでしょうか。見事対比になっていませんか?

文章をまとめる際には「骨子」を考えると書きやすくなり、さらに「○○は(が)」と書き始めると、シンプルでわかりやすい文になります。