珠玉の言葉 国語試験の問題文より⑩ 江國香織「ラブ・ミー・テンダー」
たかです
今日は江國香織「ラブ・ミー・テンダー」から ※あらすじ等、ネタばれ注意です!
◆あらすじ◆
「私」の母はエルヴィス・プレスリーを熱愛しており、それが原因で父とたびたび離婚騒ぎを起こすほどだった。ある日、母と電話で話していると「エルヴィスから毎晩電話がかかってくる」と言い出した。妙なことだと心配になった「私」は父母の家に様子を見に行き、本当に電話がかかってくるのか、夜の十二時まで待って確かめることにした。
◆場面◆
結局十二時半まで待っても電話はかかってこず、「一万回ぐらい溜め息をつきたい」気分で自宅に戻ることにして車に乗った。そして大通りに出て・・・・
ぽっかりと明るい電話ボックスで父が電話をしているのだ。パジャマにジャンパーをひっかけた姿で、大きなラジカセを抱えて・・・
父は毎晩ああやって、電話ボックスからラブ・ミー・テンダーを流しているのだろうか。私はばかばかしいような腹立たしいような気持ちになった。何がエルちゃんの愛だ。
◆珠玉の言葉◆
「何なのよ、一体」私は言い、ふいに涙ぐみそうになった。
早く帰ろう、と思った。早く帰ってコーヒーでも飲もう。そして、老夫婦の二人遊びのことを、早く夫に報告しよう。
いやあ、初めて読んだ時(=校舎の事務所の中)、思わず涙が出ました。(恥;)
こんなに一生懸命になれるのか!自分もがんばろう!と思いました。
ほのぼのと心が温かくなるお話です^^