教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

平均時速の謎?

たかです。

「ある2地点を行きは時速60km、帰りは時速40kmで往復したとき、往復の平均の時速を求めなさい。」

この問題を小学生に出すと、「たか先生、オレたちをバカにしてるやろ~~~。そんなの時速50kmに決まってるやんか~~~。」
と3秒で答えが返ってきます。

はて、ほんまに合ってますか???(笑)

この問題のポイントは「平均の速さ」と書いてある点です。
「速さの平均」ではなく「平均の速さ」です。
つまり、この問題は平均を求める問題ではなく、「きより・はやさ・じかん」の問題なのです。
「速さの平均」=「2つの速さを合計して2で割る」→これだと子どもたちは勘違いします。
「平均の速さ」=「往復のきょり÷往復にかかった時間」→この解き方をしなければいけません。

■小学生向けの解き方■

ある2地点のきょりを「1」、行きと帰りの時速の比が行き:帰り=60:40=3:2なので
行きの速さを「2」、帰りの速さを「3」として考えます。
「行きの時間」=「きょり÷速さ」なので1÷2={ \displaystyle

 \frac{1}{2}}
「帰りの時間」も同様に1÷3={ \displaystyle

 \frac{1}{3}}
したがって、「平均の速さ」=「往復のきょり÷往復にかかった時間」=2÷({ \displaystyle

 \frac{1}{2}}{ \displaystyle

 \frac{1}{3}})={ \displaystyle

 \frac{12}{5}}=2.4 となります。
ここで、時速を比で表すときに、20kmを1として考えたので、2.4は換算すると48kmとなります。
答え 平均の時速48km

■中学生向けの解き方■
ある2地点のきょりを{ \displaystyle

 x}とすると、行きの時間={ \displaystyle\frac{x}{60}}、帰りの時間={ \displaystyle\frac{x}{40}}となるので、
平均の時速={ \displaystyle

 2x}÷{ \displaystyle

 \frac{5x}{120}}=48 答え 平均の時速48km