教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

 入試風物詩 今と昔② 得点開示制度

たかです

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昔は存在せず、今は当たり前になっていることの1つ

得点開示制度 です。

合格発表後に、受験生本人が受験票と身分証明書を持参して受験した学校に聞きに行けば、入試の得点を教えてもらえます。

 

受験生にとっては「あー、自分はこんな点数だったのか~」ですんでしまうかもしれませんが、塾にとってはまさに「宝の山」です。

 

これまでブラックボックスだった合否判定の基準なるものが、開示されたデータを集めることで解明できる可能性が出てきたからです。
特に、公立の学校には、塾泣かせだった「内申点」や「調査書」なるものが、合否判定の基準の1つとして存在しています。今でも担任の先生によってはおよその内申点を教えてもらえたり、もらえなかったり・・・。

塾で受験生を受け持つ担当の当然の仕事の1つとして「進路指導」があります。

その生徒の志望校と合格可能性とをにらみつつ、できるだけ第1希望の学校に進学できるように導いていく。学校側と意見が食い違うことも多々あります。

保護者は、わが子の「合格」を手に入れるために、お金を払って塾に行かせる。

でも、仮に合格できなくても「先生、うちの子がご迷惑をかけてすみません」といいます。対価を支払っておきながら、希望の商品を手に入れられず、しかも相手に謝る。

こんな商売は塾以外に世の中どこを探してもない、とたかは思っています。

だから、私たちは常に真摯に一人ひとりの生徒と向き合って、その子にとってベストは何か?を保護者とともに常に考え、導いていかなくてはなりません。

 

得点開示制度が実施される前は、ベテランの先生の「経験値」+「肌感覚(とでもいうべきもの)」によって、進路指導がなされていました。

 

ところが、得点開示制度によってボーダーラインが明らかになる一方で、謎が深まる部分もあるのです。ボーダーライン上で何が決め手になって合格したのか?が分からないのです。得点だけでみると最大15点前後の逆転現象が毎年見られます。「内申書」や「調査書」も学校の通知表を見ればおよその予想は立ちます。それでも、毎年数名は「なんで???」ということが起こります。

昔であれば「きっと、当日の試験で何かポカをやらかしたんだろう」で済んでいたところが、得点開示を見ることで「どこに原因があったのだろう?」と謎が深まることになった、というわけです。

 

面接で合否が分かれるのか? 内申書・調査書の評定が通知表とは別なのか?

あるいは、スポーツや芸術面の受賞暦、英検やそろばん等の資格が評価されるのか?

永遠のなぞです。。。