入試風物詩 今と昔③ 適性検査
たかです
今日の話は、適性検査です。
公立の中高一貫校で盛んに行われている入試です。
われわれの時代(古っ!)には、存在していませんでした。
おそらく、このブログを読んでくださっている保護者世代の方も、現役の頃には存在していなかったはずです。
受験は、暗記一辺倒だったわれわれの世代ですが、コンピュータの登場とともに
暗記ではかなわないと悟った当時の文部省のお偉いさん方が入試制度を改革すべく
1998年(平成10年)の学校教育法改正にともなって誕生したのが、公立中高一貫校です。
入試もこれまでの「知識詰込型」=「暗記型」から、「認知判断表現」=「思考型」へと切り替わり、それにともなって生まれたのが「適性検査」という試験です。
これが結構「くせもの」で、知識抜群の生徒が必ずしも高得点を取れるとは限りません。一般的な傾向として、女子の方が得点が高くなる傾向にあります。
理由は簡単!
みなさん、想像できますか?
男子と女子の決定的な差は「表現力」です。
12歳の受験です。ふだんの生活を考えてみてください。男女で語彙力に圧倒的な差があります。女子は「恋話」「ドラマ」「母親との会話」からさまざまな言葉を学びます。
一方、男子は「ゲーム」「ネット」中心の子が多いので、どうしても語彙が少しかたよってしまいがちです。
したがって、適性検査では出題の意図は理解できているんのに、表現力が乏しくて満点がもらえない、ということが多々あります。
先日、実施した模試の一例を。
問題:クモは昆虫といえるかどうか、クモと昆虫のからだのつくりに触れながら説明しなさい。
子どもたちは、昆虫は足が6本でクモは8本、昆虫は体が(頭・胸・腹の)3つに分かれていてクモは2つの部分に分かれていることは、ほぼ全員が知識として習得しています。しかし、クモと昆虫のからだのつくりに触れながら説明することができないのです。「昆虫は○○だが、クモは△△である」という文章が作れないのです><
なぜ、できないか?⇒そんなことは教えてもらったことがないから だとたかは考えます。
公立中高一貫校は全国的に人気が高く、高倍率の入試となることが多いです。
しかし、その高倍率を突破するカギは、知識ではなく「表現力」です。
「表現力」をどう鍛えるか?これは日々の生活が重要です。
ご家庭で、ぜひお子さんといろんな話をしてください。
語彙力は「大人との会話」から身につけるのが、最も効率のよいやり方です。
よく言われる、「本を読む」だけでは(読み方にもよりますが)、効果は薄いです。
親や、祖父母との会話。これが最高&最強のツールです。