みゆたかONLINE 教育相談③
読者の方からご相談をいただきました。
【ご相談者プロフィール】
小4女子の保護者(母)
【ご相談内容】
地元の公立中学校の評判があまり良くないため、
公立中高一貫校の受験を考えています。
公立中高一貫校の特色やメリット・デメリットを教えてください。
【回答(たか)】
最近人気のある公立中高一貫校。 1999年の宮崎県を皮切りに全国に設置されました。
「A中学校⇒A高等学校と持ち上がりで進学する併設型」と「A中学校⇒B高等学校と進学先が変わる連携型」があります。一部の人気校では受検競争倍率が10倍近くに達する学校もあります。
【中高一貫校の特徴】
さて、塾の現場では、ご相談者の方と同じように「地元の公立中学校に行かせたくない」というご相談がかなりあります。一時期ほどではありませんが、「いじめ問題」や「授業崩壊」など地域によっては「行かせるのはちょっと・・・」と思うような学校は確かに実在します。ちなみにわが妻みゆが通っていた学校は筋金入りで「定期テストの期間中に卒業生がバイクで爆音をとどろかせ、テストを妨害した」とか「修学旅行の行き先の売店で万引きをして自由行動がなくなり、翌年度から行き先が変更になった」とか「中1のとき授業中に床でトランプしていた」など信じられない感じです(笑)。もちろん、すべての生徒が悪いわけではなくごく一部の生徒に問題がある訳ですが、先日も福岡県であったように先生は「手を出せない」ので、そういう生徒たちを制御するのは難しいというのが現状です。(もちろん塾にはそういう生徒は来ないので同じ問題が起こることはありません。)中高一貫校でも受検で面接を行うため、そういう生徒が入学することはまずないと言えます。
入学後は、一般的に公立中学校よりも授業の進度は速く、内容も深いです。したがって定期テストの問題も公立中学校よりも分量は多くレベルも高めです。またSSH(=スーパーサイエンスハイスクール)認定校であることも多く、特色ある授業・科目が行われています。
【中高一貫校のメリット】
一般的には「中高6年間を計画的かつ継続的に指導できる」「高校入試の影響を受けずにゆとりある学校生活を送れる」とパンフレット等には書いてあります。それ以外には同じ中高一貫教育を行う私立の学校に比べて「費用が安い」というメリットがあります。ただ、授業進度に関しては私立の中高一貫校の方が圧倒的に速く、最終的には3年分を2年で終わらせ、最後の1年は受験指導を行うというのが一般的です。
大学受験は高1の過ごし方でほぼ決まるといっても過言ではないため、高1の冬から「センターチャレンジ」をやっている学校もたくさんあります。
【中高一貫校のデメリット】
メリットの1つである「高校入試の影響を受けない」というのが一方ではデメリットにはたらいてしまいます。中3の1年間の学習時間が公立中学校の生徒より少なくなるからです。このことは、たかが話をした公立中高一貫校のどの先生もおっしゃってました。学校によっては、公立中学生が目の色変えて頑張ってる中3の12月に修学旅行に行ったりしますからね(笑)6年間の「3年目と4年目」はどうしても「中だるみ」が起きやすいのが公立中高一貫校の悩みだそうです。
最後に・・・
学校選択は「お見合い」と一緒で、「結婚しれみないと分からない」=「入学してみないと分からない」ことがたくさんあります。オープンキャンパスや体験授業は5年生から参加できる学校もたくさんあります。また学校説明会はほとんどの中高一貫校は誰でも参加できます。できるだけ足を運んで、お子さんと保護者の目で体験してみることをおすすめします。