教育業界で仕事してきた夫婦のブログ
みゆ=理系 たか=文系
現場で感じたこと、常日頃考えていることを、
受験を目指す人とその保護者の方に向けて綴っていきます。

通称!日本人テスト 第15回

日本人(として、日本語の語彙を正しく理解しているかを試す)テスト

 
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ルール・・・問題の■や○にあてはまる言葉を考える。ただし、■は漢字、○はひらがな、答えが複数の場合もあり
判定・・・7問以上正解=立派な日本人 3問~6問=中途半端やなぁ  3問以下=日本人失格、国外追放!

 

①戒める=同じ■○をくり返さないように気をつける

②忌まわしい=不幸なことが起こりそうだったり、■■な予感がして話題にしたくない

③否応なしに=■■に

④威力=すばらしい■■をあげる力

⑤入れ込む=何か1つのことに■■になってのめり込む

⑥入れ知恵=ある目的を達成するために、他人に自分の■■を教える

⑦色めく=■■して落ち着かなくなる

⑧色を失う=■■や意外なことに出会って、顔色が青くなる

⑨印象=何かを見たり聞いたりしたとき、それが人の■に与える感じ

⑩引責=■■を取ること

論説文によく使われる語彙② 相対と絶対

たかです。

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①の帰納と演繹よりも、登場回数が多いのが、今回の「相対」と「絶対」です。

「相対的」「絶対的」と使われることもあります。

この言葉は以前「通知表の評価の仕方」で話題になったこともあるのでなじみはあると思います。いわゆる「絶対評価」ってやつです。

 

相対=他と関連させてみて、初めてそのものの存在が考えられること。

Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

絶対=何ものにも束縛・制限されないで存在し、作用する様子。

Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

 

やはりこれも辞書の説明は少しわかりにくいですね。

これも通知表の評価方法でイメージすると一発です!

絶対的=比べるのは基準

たとえば「90点という基準」と比べて,、それより上なら通知表は「5」という評価の仕方です。

相対的=比べるのは他者

たとえば「上から10人までは5」という、他者と比べて成績を評価するやり方です。

 

問題になったのはこの「相対的評価」。

どういう点が問題かというと、公立高校入試の「内申点評価」において、

A中学校の「5」とB中学校の「5」が同じ基準で評価されていないという点です。

多くの都道府県で公立高校入試の合否判定は「当日の学力検査の得点」と「内申点」の2つの評価軸をもとに行われます。大学の一般入試が「学力評価」のみ、なのにです。公立高校にはいろんな中学校から受験生が集まります。合否ライン上の判定は非常に熾烈です。現在は「得点開示制度」がありますので、入試の得点と合否の関連性を後から知ることが可能です。

・学力検査の合計1点差で合否が分かれる。

・内申点によって、学力検査の得点の「逆転現象」(=合計点の低い人が合格して、合計点の高い人が不合格になる)が見られる。

これらのことは毎年現実に起こっています。

単純な話ですが、受験生が300人いると100満点のテストでは、同点が計算上3人発生します。

現実的には、0点や100点はほとんどいないので、合否ライン上の得点帯には10人前後がひしめく状態になることは容易に想像できると思います。数点違えば、順位が2~30番変わる可能性があるわけです。そして、学力テストの合計が全く同点だったら合否はどうなるか?ここで登場するのが「内申点」です。一人の生徒の「今後の人生」を決定する材料が「相対的評価」なのは、なんとも・・・・ですね。

たかの個人的意見としては、高校入試も「学力検査1本勝負!」にしたらいいのにと思います。

 

 

 

 

 

 

論説文によく使われる語彙① 帰納と演繹

たかです

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国語の論説文に使われる難度の高い語句について捉え方のコツを書いてみます。

今回は「帰納」と「演繹(えんえき)」です。主に科学技術や生態系等をテーマとする論説文に見られます。また、この2語は互いに対義語の関係にあります。

辞書を引くと次のような説明が書いてあります。

帰納=個個の特殊な事柄から一般的原理や法則を導き出すこと(方法)。
Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

演繹=​一般的な原理から、論理の手続きを踏んで個個の事実や命題を推論すること(考え方)。
Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997

残念ながら、この説明を理解できる小・中学生はまずいません><

でも、言葉ではなくイメージで理解すれば一発です。

昆虫学者がいるとします。彼の目の前にこれまで見たことのない虫がいます。
観察すると、昆虫の要素である、「足は6本ある」、「体が頭・胸・腹の3つに分かれている」を満たしています。よって彼はこの虫を「昆虫の仲間」だと判断しました。定義から個別の判断を下す⇒これが「演繹」です。

またあるとき、彼はこれまで見たことのない虫A、虫B、虫Cを発見しました。
それぞれの虫をよく観察して、共通点Dを見つけました。そこで彼はその虫ABCをD種と名づけました。個別の観察から定義を決定する。⇒これが帰納です。

高校生のみなさんは数学で「帰納法」を学びますね。

①n=1の時、命題Pが成り立つことを証明する。
②n=kの時、命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1の時も命題Pが成り立つ。
③よってすべての自然数において命題Pが成り立つ

例題 すべての自然数nにおいて{ \displaystyle
4n^3-n
}は3で割り切れることを数学的帰納法を用いて証明せよ。
{ \displaystyle
4n^3-n
}は3で割り切れる・・・(1)
①n=1のとき、{ \displaystyle
4・1^3-1
}=3
よってn=1のときは成り立つ
②n=kのとき(1)が成り立つと仮定すると、
n=k+1のときは、{ \displaystyle
4(k+1)^3-(k+1)=(4k^3-k)+3(4k^2+4k+1)
}
仮定より、{ \displaystyle
4k^3-k
}は3で割り切れるから、n=k+1のときも(1)は成り立つ
よって①②より(1)はすべての自然数において成り立つ

英語学習 日本人の壁②

たかです

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英語学習のもう1つの日本人の壁(というか私自身の壁)は形容詞です。

悩ましいのはその語順

比較的語順に関するルールが緩やかである意味何でもござれな日本語とは違って、英語はきっちり決まっています。ただし、日本語は語順は入れ替えOKなのですが、状況が変わってくるので注意が必要です。

たとえば、「3匹の白い大きな長い尾の犬」

この場合、白いのは尾なのか犬の体なのかが、いまひとつ不明瞭です。

また、大きいのは尾なのか犬の体なのか、もいまひとつ不明瞭です。

まあ、普段はこんなに形容詞を連発して並べて使うことはあんまりないのですが気をつけたいものです。

英語で、「3匹の白くてかわいい体の小さな子犬」と言いたいとき形容詞の語順はどうなるのでしょう?

 数詞も形容詞の一種と考えると、日本語で出てくる順に、three、white、pretty、tiny、youngですが、これを日本語と同じ語順で並べると×です。

英語の語順は

①number 数

②opinion 意見・感想

③size&shape 大小と形

④age 新旧

⑤color 色

⑥origin 所属・国籍・出身など

⑦material 原材料

したがって、three pretty tiny young white dogs という語順になるのです。

nativeの方はこれが自然にできるんです! What a  jealousy!!

 

こちらのブログに詳しい大学情報書いています

www.miyutakapersonalcoaching.com

 

通称!日本人テスト 第14回 正解

①一触即発=ちょっと触っただけで爆発してしまいそうな■■な状態 危険

②一心不乱=一つのことに■■して雑念が起こらない様子 集中

③いっそ=普通では取らないような■■を思い切って取ろうとする様子 方法・手段等

④一般的=■■ではなく、当たり前な様子 特別

⑤一辺倒=ある一つのものだけに■○こと 偏る

⑥いとおしむ=二度と帰らぬものとして■■にする 大切・大事等

⑦命の洗濯=気晴らしをして日頃の○○○○を慰めること うっぷん

⑧いばらの道=■■の多い人生 苦難・苦労・困難等

⑨いびる=弱い■■にある人をいじめて苦しめる 立場

⑩いまいましい=○○○にさわる。悔しくて腹が立つ しゃく

 

このテストを作るとき、国語辞典・広辞苑・漢和辞典等いくつかの辞書を参考にするのですが、④は「一般」⇔「特別」という反対語の組み合わせを利用してうまく説明しています。これはうまいなぁと唸ってしまいました。

⑦ですが、子どもたちは「たか先生、カタカナでもいい?」と言うのでOKしたら、ストレスと書いていました。なるほど時代の変化だなぁと感じました。

文章を書く ③診断士試験と要約力

みゆです.。こんにちは。

 

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今日から文章を簡潔に書く力=要約力の勉強です。

今回は余談で、「要約力」を必要とされる資格試験の話をします。

 

私は5年ほど中小企業診断士とよばれる資格試験の学習をしていましたが、結局、二次試験で3回敗退し、無資格のまま終わってしまっています。

診断士試験には一次試験と二次試験があり、二次試験はA4用紙3~4枚に書かれた与件を分野別に4つ読み設問に答える試験となります。

中小企業診断士試験問題

設問はすべて記述問題で15文字~150文字で解答する形式です。

 

さて、この試験ですが、なんと診断士協会から正式な解答の発表がありません!

解答がないため「なぜ合格したのか」「なぜ不合格だったのか」の合格基準が非常に不明瞭な試験なのです。試験後に各資格予備校(TACやLEC等)が模範解答を発表するのですが、予備校ごとに全く答えの違う設問がちらほら見つかります。

そこで、実際に受験した人が解答を出し合い、「合格・不合格」となった文章を見比べて何がもっとも正解に近いのかを評価することが通例となっており、実際に受験した方の解答を載せた本も発売されています。

Amazon | 2017年版 中小企業診断士二次試験 ふぞろいな合格答案 エピソード10 | ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム | 中小企業診断士 通販

 

この本に載せられた答案を見比べると「要約力のレベルの高さと低さ」かがよく分かります。

伝えたいことは同じなのに、要約力の高い人の解答は端的にすっと頭に入ってくる、一方で低い人の解答は何が本当に言いたかったのかが分からないのです。

合格者の解答を見ていると「素晴らしい発想」を解答用紙に書いているわけでなく、「与件に書かれていることを端的に表現」してるだけです。合格基準として、素晴らしい発想かどうかについては採点者の評価が分かれますが、「与件に書かれている言葉を用いて解答を書けば誰が何と言おうと間違いには出来ない」ため、この試験は要約力が問われてる試験だと私は考えています。

(与件…問題文として設定された事例の文章)

 

私は診断士の学校の先生や友人に「キーワードは適切に拾えているけど、何が言いたいのかが伝わってこない」と言われていましたが、要するにキーワードを繋いで文章化する能力=要約力が足りなかったのだと思います。

 

受験生の中には私のように「要約力」がキーとなること考えている方も多く、そのような方たちは日本経済新聞の「春秋」を要約し学習しています。

 

「春秋 要約」と検索をかけるとgoogleトップに「中小企業診断士web勉強」がトップに出るくらいに、春秋要約は診断士試験の世界ではメジャーな勉強方法なのです。

 

「春秋」のすばらしい所は内容・文章力はもちろんなのですが、なにより必ず4段落構成になっていて起承転結が分かりやすい点です。

課題もシンプルで、「春秋を読み40字で要約をすること」です。40字というのが実に絶妙で不要なことを書くとすぐオーバーしてしまい、収めるのに毎回苦労します。

しかし、ピタッとはまると元の文章を読んでなくても、あーなるほどと思える仕上がりになるのです。

 

こちらも正式な解答がないので、診断士の受験者間でフェースブックを用いて解答を出し合う、ツイッターに自分の解答を載せる等、SNSを用いて解答交換されている方もいらっしゃれば、有料で診断士試験の予備校の添削指導を受けている方もいます。

 近くの私立の中学校でも、字数は違えども要約を課題に出している学校もあります。

 

要約力を身につけるためにはいきなり長い文章で練習するのではなく、春秋のような短い文章で行うとやりやすいですよね。

助詞の魔術

たかです。

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外国人の方にとって日本語は難しいといいますが、その最大の理由は主語の省略と助詞にあると思います。

たった1文字の言葉ですが、それが違うだけで意味が大きく変わることがある、という例をいくつか。

 

【例①】

A 私はたかです。

B 私がたかです。

主語を表す「は」と「が」ですが、AとBはどう違うか説明できますか?

 

【例②】

電車が遅れたにしてももう着くころだ。

この文は外国人の方にはとても分かりにくいのだそうです。

日本人は特に説明されなくても、「もう着く」のは電車ではなく人だと分かります。

しかし、外国人の方にはその区別が難しいのだとか。

 

【例③】

ぼく■弟■おやつ■食べた。

■にいろんな助詞を入れて、意味の通るものから、文法的には成り立つけれどおかしな意味になるものまで作ってみましょう!(小学生の国語の授業でやるとめっちゃ盛り上がります!)

・意味の通るもの

ぼくおやつ食べた。

・文法的には成り立つけれど、おかしな意味になるもの

ぼくおやつ食べた(!)

さて、あといくつ作れますか?みなさん。